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格闘技全盛時代にプロレス誌の未来は? 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

PROFILE

photograph byToshiya Kondo

posted2005/05/26 00:00

格闘技全盛時代にプロレス誌の未来は?<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 かつては総合週刊誌並みの発行部数を誇ったと言われるプロレス専門誌の不振がここのところ続いている。昭和30年に創刊された『週刊プロレス』をはじめ『週刊ゴング』など専門誌の公称部数は40万部前後だが、実売数は軒並み平均5〜6万部に落ち込んでいる。アントニオ猪木やタイガーマスク、UWF系が一大ムーブメントとなった時代を鑑みれば、団体は分裂または細分化され、選手たちの“顔”がいまいち見えない状況となり、テレビ放送は深夜枠に……という具合で、これではプロレス誌の部数が落ちるのもうなずける。

 対照的に隆盛をきわめるのが格闘技。大みそかのチャンネルを独占し、5月4日に行なわれたK―1MAXは平均視聴率20%を超えた。となれば、さぞかし格闘技専門誌である『格闘技通信』や『ゴング格闘技』は売れているんだろう、と思いきや……。実はプロレス誌は強かった! 出版関係者によれば、格闘技誌の実売数はプロレス誌の3分の1程度。しかも格闘技誌は月2回発行や月刊であることを考えれば、週刊であるプロレス誌の購買者の多さに驚かされる。プロレスファンはまだまだ多いのだ。

 なぜ格闘技誌よりプロレス誌のほうが売れるのかといえば、逆にテレビでの露出が減ったことが挙げられる。テレビと付和雷同するようにスポーツ新聞でも情報は減っており、毎日のようにある興行をフォローできるのは必然的に雑誌だけとなる。また、プロレス誌が売れた時期に「活字から裏読みするプロレス」という独特の活字文化が醸成され、その観点でプロレスを楽しむ層もまだ少なくないという。だからこそマニアックなファンも多く、伝統の重さを感じさせる。

 落ち込んだとはいえ5〜6万という部数は専門誌として見れば低くはなく、プロレスの市場における潜在能力は非常に高い。いまをときめく格闘技がアンディ・フグや桜庭和志、魔裟斗といったスターの登場により、一般層にまで一気にファンが広まったように、プロレスもまたニュースターを生み出すことさえできれば再浮上も夢ではない。どんな競技にもいえることだが、プロレス専門誌の使命は奥深さを追求すると同時に、業界の顔となる『カリスマ作り』にあるのではないだろうか。

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