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生え抜きスターが監督に。
野村謙二郎が見せた潔さ。
~来季の広島は“脱ブラウン”~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2009/12/22 06:00

走攻守、三拍子揃った選手として活躍し、'95年には史上6人目の3割、30本、30盗塁を達成

走攻守、三拍子揃った選手として活躍し、'95年には史上6人目の3割、30本、30盗塁を達成

 12年連続でBクラスに低迷する広島東洋カープ。再生役として白羽の矢が立ったのは43歳の野村謙二郎である。

 12球団最年少監督になる野村の現役時代は緒方孝市、前田智徳とともに、「広島三羽ガラス」と呼ばれ、2005年には2000本安打を達成した名選手だった。

 成績だけでなく、若手の頃から後輩に対する面倒見の良さ、そして年長者に対しても自分の意見をきちんと伝えることで、チーム内で存在感を発揮。早くから将来の監督候補に挙げられていたものだ。

前監督のメジャー流を撤廃し、広島伝統の猛練習で鍛え直す。

 '09年、新広島市民球場が完成した時の目玉として「野村を新監督に」という動きもあったが、広島フロント陣の「1年目は目新しさでお客さんも集まるが、本当の勝負は2年目から。2年目以降は、広島の伝統を守り続けられる監督に任せることが、集客につながる」という思惑で見送られたと聞く。そしてこのオフ、満を持して広島の新監督に就任したのである。

「自分達が若手の時は優勝を狙えるチームだったのに、今ではクライマックスシリーズ狙い。これでは寂しい。入団したての頃、大下剛史ヘッドコーチから、休日でも引っ張り出されて猛練習させられた。その伝統を復活させ、チーム強化を図りたい」と秋季練習から厳しい練習を行ない、改革に取り組んでいる。

 特にがらりと調整法を変えたのは、投手陣である。「コントロールがロクにない連中が、20分の投球練習で切り上げるようではダメ」と、徹底した投げ込みによる下半身作りを指示したのだ。

大野豊ヘッドコーチとの二人三脚で赤ヘル軍団復活なるか。

 野村の片腕になるのが、現役時代を共に過ごし、ヘッドコーチ兼投手コーチとして入閣した大野豊である。大野も「球数制限などで登板機会が少ないため、育ちかけた芽もなかなか伸びない」と広島OBを嘆かせた前監督の投手起用を廃止し、「猛練習を積み、苦労してこそ成長する」という野村式起用法をサポートしていくはずだ。

 新指揮官は駒澤大時代の恩師、太田誠が「アイツはどこに出しても恥ずかしくない」と太鼓判を押すほどの好人物。また退路を断って単年契約で臨む野村の潔さも、OB達から歓迎されている。持論である「選手は走攻守、全部揃って一人前」を目標に掲げ、赤ヘル軍団復活を目指す。

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