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どん底から復帰した
柏木陽介に期待大。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byTomoki Momozono

posted2009/01/16 00:00

どん底から復帰した柏木陽介に期待大。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

 DF史上最年少のベストイレブン受賞。20歳にしてA代表で不動の右サイドバックになりつつある内田篤人が、'08年Jリーグ・アウォーズで、大きな勲章を手にした。その数日前には、安田理大がマンチェスター・ユナイテッドとガチンコ勝負。同級生の彼らにとって、'08年は確実に歩を進めた1年となった。

 しかし、その一方で、柏木陽介のように、思うようなプレーができず、苦しい1年を過ごした選手もいる。

 「陽介を中心にパスを回せば、簡単にはボールは取られない」

 内田は'07年U-20ワールドカップを前に、そんな表現で手ごたえを口にしたことがある。柏木は当時、間違いなく同世代の主役だった。U-20ワールドカップ後は、北京五輪アジア最終予選でも活躍。大きな注目を集めた。

 だが、柏木は自戒を込めて言う。

 「調子に乗ってたんでしょうね、オフの過ごし方で。やっぱり甘えてた」

 キャンプを前に左足アキレス腱に痛みが出て、'08年の序盤を棒に振った。しかも、本当の辛さを味わうことになるのは、4月に戦列復帰してから。「なんで監督は、こんなんでも試合に出してくれるんかな」と思うほど、イメージとかけ離れた自分のプレーに苛立った。

 結局、この出遅れが大きく響き、目標だった北京五輪出場はならず。広島ではぶっちぎりのJ2制覇を喜びながらも、「自分がおらんでも勝てるんかな」と考えると、気持ちは複雑だった。

 同級生の仲間が大舞台に立っていることについて、「みんな頑張ってるな」と柏木。「焦りはないけど、'09年が勝負やとは思ってる」。もちろん、A代表も'10年ワールドカップも、はっきり意識しているからこその決意だ。

 昨年はU-23代表が北京五輪で惨敗したのに続き、U-19代表が7大会続いていたU-20ワールドカップ出場を逃した。日本サッカーの近未来は、明るい材料にあふれているわけではない。それだけに内田、安田の活躍を、手放しに喜んでばかりはいられない。さらなる若い才能の台頭が必要だ。

 「精神的には強くなったかな」

 どん底を味わった柏木が今年、どんな巻き返しを見せてくれるのか。大いなる期待とともに、注目していきたい。

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