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1474日ぶりのゴール!羽田憲司の偉大な記録。 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2005/09/15 00:00

 8月24日、カシマスタジアム。小笠原満男の移籍騒動の渦中にあって、目立たないながら、決して誰にでも真似のできるものではない、偉大な記録が打ち立てられていた。羽田憲司、4年と13日ぶりの復活ゴールである。

 試合後、羽田は小笠原の数分の一に過ぎない数の記者に囲まれていた。久々のゴールですが──そんな問いかけに、ずいぶん前のことなので覚えてない、ととぼけたが、もちろんこれは照れ隠し。4年前の8月11日、長期離脱前最後の試合は、記念すべき自身J初ゴールを決めた札幌戦。忘れるどころか、「ケガの間も、この試合のことは何度か思い出した」。

 この数年、羽田のことは、ずっと気になっていた。'01年6月、アルゼンチンで行われたワールドユースにキャプテンとして出場しながら、羽田の時計は、そこで止まったままだったからだ。その大会後、厳密に言えば、Jリーグ2試合に出場した後、足首に原因不明の痛みを覚え、長期離脱を余儀なくされたのである。

 ようやく原因が特定されたときには、選手生命さえ危ぶまれた。本人曰く、「関節の骨が腐っていた」。'02年11月に手術を受け、それからリハビリに2年近くを要した。足かけ5年のブランク。だからこそ、復帰の報には心底ホッとした。

 すでに5月のナビスコカップで試運転はしていたが、リーグ戦に限れば、今年7月13日が復帰戦。実に3年11カ月2日ぶりの出場だった。それを考えれば、復帰から1カ月ほどで迎えたこの日のゴールは、あまりにできすぎだ。

 もちろん、すべてが元通りというわけではない。復帰後の試合では、相手FWをマークしきれず、クロスからゴールを許す場面が続いている。しかし、「そういうポジショニングとか、細かいところはまだまだ」なのも当然。羽田の時計は今再び、動き始めたばかりなのだ。

 「こんなに休んでいても復帰できるんだって、サッカーに限らず、ケガをしてリハビリをしている他の競技の選手たちも勇気づけられたらいいけど」

 ケガによるこれほど長期のブランクから、トップアスリートが第一線に復帰するのはかなりの異例。物理的な痛みだけでなく、精神的な不安とも戦い続けてきた4年もの歳月を想像するに、彼の努力に敬服し、今はただ拍手を送りたい。

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