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「平成名勝負数え唄」の
予感漂う中邑vs.棚橋戦。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2009/11/06 06:00

2月は棚橋(右)が中邑を下し、初防衛に成功。今度は、立場が入れ替わってのタイトル戦だ

2月は棚橋(右)が中邑を下し、初防衛に成功。今度は、立場が入れ替わってのタイトル戦だ

 どちらも熱い。「平成名勝負数え唄」のゴングである。王者・中邑真輔vs.挑戦者・棚橋弘至のIWGPヘビー級選手権試合が、11月8日、両国国技館で開催されることに決まった。

なぜか猪木を追う中邑。その理由は棚橋への嫉妬か。

 満員札止めで沸きに沸いた10・12両国の「蝶野正洋デビュー25周年特別興行」。右眼窩内側壁骨折で約2カ月間欠場中の棚橋が中邑相手に行なった復帰パフォーマンスは、ねちっこく嫌味たっぷりだった。ゼロワンの大谷晋二郎を得意技のボマイエ2連発で下し、初防衛を果たしたばかりの後輩に、「俺はお前を王者として認めない」と噛みつき、「俺を倒さなければ王者と言わせねえ、俺と戦え、暫定王者!」と決めつけたのだ。

「中邑、うっとうしいだろう」とまで言った棚橋の“らしくない”言動には、理由がある。まず、中邑こそが自分を欠場に追い込んだ張本人だからだ。棚橋は今年8月のG1両国で、中邑のヒザの直撃を顔面に受けて負傷し、IWGPタイトル返上を余儀なくされた。

 その上、中邑は9・27神戸大会で真壁刀義との同王座決定戦に勝ち、2度目の返り咲きを果たすと、こう叫んだ。

「このベルトには輝きがない。イノキ! 旧IWGP(の輝き)は俺が取り戻す!」

 これには棚橋も怒りの表情で言う。

「俺からすりゃあ、逃げの論理。自力で輝かせられないからヨソ(アントニオ猪木・IGF)に目が行くんだろう」

 棚橋は今年4月5日、最強の挑戦者、カート・アングルを破って2度目の防衛を果たしており、口には出さないものの、「なんで今さら、『猪木のベルト』なんだ」という思いに違いない。中邑の的外れの雄叫びは、棚橋人気に対する嫉妬とも受け取れる。

平成新日本の対決は長州・藤波を越えられるか。

 面白いのは、「長州vs.藤波名勝負数え唄」の当事者、長州力が、自らのプロレス生活35周年記念パーティーで当時の藤波に対する感情を初めて明らかにし、こう語ったことだ。

「ジェラシーがあったから頑張れた」

 因縁の中邑vs.棚橋戦に、名勝負数え唄時代のムードが漂ってきた。2人のIWGPベルトを賭けた戦いは、これまで2勝2敗と、五分の星。結果はどうあれ、来春1月4日の東京ドーム大会を見据えた11月8日の一戦が、プロレス復興の引き金になってほしいものである。

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