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“動けるデブ”で大人気、
浜亮太に膨らむ期待。
~プロレス大賞の有力候補を占う~ 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2009/12/01 06:00

“動けるデブ”で大人気、浜亮太に膨らむ期待。~プロレス大賞の有力候補を占う~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

入団時の体重は185kgだったが、18kgの増量に成功。200kgの曙を抜き、最重量選手に

 '09年度のプロレス大賞の選考会が近い。今年は有力なMVP候補がいなくても、新人賞は「浜ちゃんで決まりでしょう」との下馬評が高い。

 他ならぬ176cm、203kgのウルトラヘビー、全日本の浜亮太のことだ。大相撲八角部屋の出身、四股名は北勝嵐(ほくとあらし)、最高位は幕下6枚目。昨年夏場所限りで引退、プロレス転向後、入門3カ月足らずで初マット(11月3日、両国国技館、曙戦)を踏んだ驚異の新人だ。

デビュー1年足らずで曙との巨漢タッグで戴冠!

 なにしろ記録ずくめ。体重が日本人レスラー史上最高なら、昨年の世界最強タッグ決定リーグ出場(パートナー・武藤敬司)はデビュー1カ月弱、今年のチャンピオン・カーニバルもデビュー半年足らずで出場と、いずれも史上最短での初出場を飾った。そして、9月23日、後楽園ホールにおいて、曙とのコンビでアジアタッグを奪取。これも新人のタイトル獲得最短記録であった。

 奇しくも、世界最強タッグ・リーグ戦開幕の11月21日は、30歳の誕生日。日本の最古のチャンピオンベルト(アジアタッグ)を巻いたとあって、他の参加8チームから徹底的に狙われている。

「去年は、こんな俺でいいのかな、という気持ちでしたが、今年は違いますね。狙われるのは当然ですから、王者にふさわしいファイトをしたい。横綱(曙)は絶対的に頼れるパートナーですから!」

 と、ベンベンたる太鼓腹を撫でる浜ちゃん。暮れの看板イベントで好成績を残せば、最優秀タッグ・チーム賞の声もかかる。“2冠王”もまんざら夢ではなくなってきた。

“動けるデブ”はマット界のジンクスを覆せるか?

 この珍獣は単なる異形のデブではなく、動けるところが魅力。泣きどころのヒザを狙われ、息も絶え絶え、相手に食い下がる必死のファイトが受けている。「俺はこれしかない」。なりふり構わず、真剣にプロレスに取り組む一生懸命な姿がファンから支持されているのだ。不況という時代背景も追い風となって、浜ちゃん人気を守り立てる。

「俺、デカイ奴がすきなんだ」という武藤社長。いいキャラクターを掘り起こしてくれた。力道山時代から「アンコ型のレスラーは育たない」というジンクスがあるだけに、大事に育ててほしいものだ。今日も会場には「浜ちゃん頑張れ」の温かい声援が飛ぶ。心配はケガだけだ。

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