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FIFA公認代理人制度が今秋廃止へ。
J選手の移籍にはどう影響するのか? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2011/04/10 08:00

FIFA公認代理人制度が今秋廃止へ。J選手の移籍にはどう影響するのか?<Number Web> photograph by Getty Images

公認代理人制度廃止の方向へ舵を切ったFIFAのブラッター会長。6月のFIFA総会で行なわれる次期会長選にも立候補を表明した

代理人制度廃止は選手にとってメリットばかりではない。

 では、もし廃止になったらJリーグにはどう影響するだろう?

 資格がなくなると、これからは、例えばマネージメントのノウハウを持つ芸能事務所もエージェントとして動けるようになる。いろんな分野の人たちが参入できるようになり、選手にとっては、より選択肢が増えることになりそうだ。

 ただし、そこには当然ながら、自己責任が伴う。

 法的な知識がない人に依頼して、痛い目にあうこともあるだろう。たとえばヨーロッパでは代表級の選手であれば、「この契約は1部でのみ有効」という文言を契約書に入れておくことで、2部に落ちたときに自由に移籍できるようにするのが一般的になっている。交渉の代理を任せる人にそういう知識があるかないかで、未来を左右する可能性がある。

代理人の雇用形態も“年間契約型”から“成果報酬型”へ。

 また、プロ野球界のように、契約交渉のときだけ弁護士に依頼するというスタイルも増えるかもしれない。

 プロ野球では選手の年俸によって、1回にいくらの代理人費用がかかるか、「日本プロ野球選手会・選手代理人報酬ガイドライン」に目安が細かく決められている。基本的に弁護士を交渉に拘束した時間のみの換算となるため、金額はそれほど高くない。たとえば、600万円以上1300万円未満の選手だったら、基本報酬額の目安は「20万円」だ。あとは選手と弁護士の話し合いで、交渉の成果によって出来高報酬が上乗せされる。

 これまでJリーグでは、選手は代理人とマネージメントを含めた契約を結び、年俸の中から一定の割合(推定相場は10~20%)を対価として払うというスタイルが多かった。だが、ヨーロッパではクラブとの契約交渉のときのみ代理人に対価を払うのが一般的で、毎年決まったパーセンテージが自分の年俸から引かれるわけではない。

 制度がなくなると、プロ野球やヨーロッパ・サッカー界と同じように、“年間契約型”ではなく、交渉があったときだけに支払う“成果報酬型”に移行するケースも増えるだろう。

 ただ、誰でも代理人になれる時代が到来したら、これまで以上にトラブルが増える可能性がある。選手も、クラブも、サポーターも、メディアも、契約の裏側を見抜く目がさらに必要になりそうだ。

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