Jリーグ観察記BACK NUMBER
J2水戸の経営状態は深刻……。
被災したクラブをどう支援すべきか?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2011/03/24 10:30
3月16日、中国で行われたAFCチャンピオンズリーグで、被災した地域へのメッセージを掲げるサポーター
楢崎正剛が列に並んだ人たちと次々に握手し、三都主が募金を呼びかけるために声を張り上げ続ける。日本代表の藤本淳吾も、選手会長の小川佳純も、会場に来ることができた21人の選手全員が募金箱を持って広場に立った。
東日本大震災から8日間が経過した3月19日、名古屋市内において名古屋グランパスの選手たちが義援金を呼びかける街頭募金活動を行なった。約5000人が駆けつけ、1時間で約395万円が集まった。
もちろん、こういう活動をしているのは、グランパスだけではない。Jリーグの被災を免れたクラブの多くが、街頭で募金を呼びかけた。日本プロサッカー選手会(JPFA)は公式HPにおいて、選手から提供されたスパイクやユニフォームでチャリティーオークションを実施した。
これから復興に向けて、さらに大きなサポートが必要になる。Jリーグとしては幅広い層に呼びかけられる強みを生かし、これを一過性にせず、引き続き募金活動を行なっていきたいところだ。
サッカー協会とJリーグは被災地におけるサッカー復興の支援を!
こういう被災者・被災地支援を最優先にしつつ、日本サッカー協会とJリーグに、もうひとつ取り組んでほしいと思うことがある。
それは被災地におけるサッカー復興の支援だ。
これまで東北地方は、岩手県出身の小笠原満男、宮城県出身の今野泰幸など、何人ものプロサッカー選手を生み出してきた。ドルトムントの香川真司は中学から高2まで、仙台のFCみやぎバルセロナにサッカー留学した経験がある。彼らに続く人材が、東北にはたくさんいるに違いない。
ドイツサッカー協会はサッカーの取り組みが盛んな学校に、人工芝のミニコートを無償で提供している。小さなスペースを利用して、被災地に臨時のミニコートを作ることができれば、子供たちの遊び場にもなるはずだ。
被災したJリーグのクラブへのサポートも必要だ。
今回、J1のベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、大宮アルディージャ、J2の水戸ホーリーホック、栃木SCのスタジアムが地震により損傷した。日本サッカー協会とJリーグがスタジアム修復のコストを部分的にでも支援することを考えるべきだろう。