「やっぱり一緒に泳いでいると元気をもらいますよね」
日々のハードな練習を共にしているのは、10歳以上も年の離れた10代や20代の大学生スイマーたちだ。
練習の合間には若い選手たちと冗談を言って盛り上がりながらも、練習が始まれば空気は一変。特に、男子選手が個人メドレーの練習中に、彼女の専門である平泳ぎのパートで勝負を仕掛けてくる瞬間、その心に火がつく。
「負けられないですから。ブレ(平泳ぎ)のパートは私も一生懸命頑張って、最後クロールはほとんど体力が残っていなかったり。学生に勝った瞬間は、『どや見てみい』みたいな感じの煽り合いがあったりもするんですよ」

学生に競り負け、監督から「負けてんじゃねえか!」と笑いながら発破をかけられることもある。悔しさでキーッっとなりながらも、そんなやり取りさえも楽しんでいる。若い選手たちの力を受け取り、自分の挑戦する気持ちへと静かに変えている。
何よりも重んじているのは、技術以上にメンタルのあり方だ。心が整わなければ、どれほど研ぎ澄まされた技術も水の中では自分の形を保てない。だからこそ鈴木はイメージの力を極限まで高めてきた。
「常に誰かが近くまで来てる、迫ってるというイメージをしながら、理想の選手を近くにいさせることで自分を奮い立たせるみたいな瞬間は増えましたね」
感情を丁寧に言語化することで、プロフェッショナルとしての精神性も保っている。
「なるべくネガティブなことは伝えたくないので。記事になってしまうと、一目散に母から心配のLINEが来てしまうので、そうはさせまいと思って(笑)。言葉でアウトプットすることで、じゃあ次はこうしていかないとなとか、気持ちの切り替えにもつながっています」
だが、これほど強固な精神を築き上げた背景には、すべてを投げ出しそうになった「暗闇」の時期もあった。その時期のメンタリティについても動画インタビューで語ってくれている。

鈴木が平泳ぎという種目に感じている醍醐味は極めて感覚的で美しい。
「水面を滑るような泳ぎが魅力だと思います。キックの出力があって、水面をすーっと滑るような泳ぎがすごく気持ちいいんです」
その一瞬の滑るような快感を追い求め、コツコツと距離を積み重ねていく。
「私が特に不器用人間ですので。時間はかかるかもしれないけども、コツコツやっぱすぐにはできなくても続ければある程度形にはなると思うし、その継続の大切さっていうのは伝えていきたい」
「一番苦しかったのは東京オリンピック前後」
インタビューでは他にも以下のトピックについても話をしてもらっている。
- 大学生の練習に交じって得られる刺激とは?
- 若手には「可能性のある選手しかいない」
- 挑戦心を煽るために仮想・ライバルを置く
- 「最終的には〝完璧〟を求めたい」の真意とは?
- 「今の自分が21歳の自分を圧倒」をイメージ
- 一番苦しかったのは東京オリンピック前後…理由は?
- 自分の考えや思いを正確に伝えるために意識すること
- アスリートだけでなく人間としての幅を広げるために
再び表彰台からの景色が見たいと願う、2年後の大舞台への想いなどに迫った貴重な動画インタビュー、前編とともにぜひご覧ください。
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