現役生活22年目、立浪和義らしいバッティングだった。9月30日の巨人戦で、越智大祐の投じた内角ストレートをきれいにはじき返すと、打球は右中間に転がった。自身の持つ最多二塁打記録を487本に伸ばす一打は「ミスター二塁打」の名に相応しいヒットだった。
PL育ちの選手らしく、常にチームの勝利を求める選手だった。
ここ数年は代打での出場が多かった立浪だが、ナゴヤドームにその名が告げられると、誰よりも声援が多かったものだ。「PL育ちの選手は、どんなに活躍してもチームが勝たなければ意味がないことを、徹底的に教え込まれている」との言葉通り、常に勝利を追い求めファンから愛される存在だった。ナゴヤドームでの引退セレモニーには、高校の2年先輩にあたる清原和博、桑田真澄の他にも同期の片岡篤史、橋本清、監督だった中村順司らPL黄金時代のメンバーが顔を揃え、立浪の打席に拍手を送っていた。
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