「こん畜生、負けてたまるか!」
流血のフルスイングだった。デビュー13年目で初めて夏を制した“暴走コング”真壁刀義、36歳。見事な逆転優勝には、こんな言葉しか見当たらない。「伸也(真壁の本名)君、辞めないで、本当によかったね」。素直に、おめでとう、と言いたい。
ヒールとベビーの壁を壊した新時代のヒーロー。
今年で19回目を迎えた新日本の看板イベント、G1クライマックス。恥ずかしながら筆者がVレースを的中させたのは、中西学が武藤敬司をアルゼンチン・バックブリーカーでねじ伏せ、初優勝を飾った'99年の第9回大会だけしかない。今回の真壁も、世界陸上の男子やり投げで銅メダルを獲得した村上幸史のように、まったくノーマークだった。“暴走コング”に「ふざけんじゃねえーよ。オレは金メダルだ」と襲われそうである。
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photograph by Essei Hara