そびえ立つような巨体に長いもみあげ、オレンジ色のまわし。強さと脆さの同居するパワフルな相撲に加え、愛嬌とユーモアあふれる仕草で絶大な人気を誇った元関脇高見山の東関親方が6月16日の誕生日で65歳定年を迎え、夏場所を最後に大相撲界に別れを告げた。
19歳でハワイから単身来日し、力士で20年、親方として25年にわたり日本の国技を支えた東関親方は、今日隆盛を極める外国人力士のパイオニア的存在だった。
アメリカ人らしい陽気さと同時に、異境での辛い修行に耐え忍ぶ姿は共感を呼んだ。肩で息をしながら泥まみれになって、ぶつかり稽古を何度も繰り返す姿。股割りの稽古の時に涙して述べたという名言「目から汗が出た」は、今でも語り継がれる。幕下時代に扁桃腺の手術を受けたが、翌日から稽古を再開。執拗な喉輪攻めを受けて声帯を痛めたため、独特なかすれ声になってしまった。
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photograph by KYODO