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野球を愛する男たちの、恩返しのカタチ。

2009/03/23

 九州の新しい地図を眺めてほしい。長崎の6つの町が合併して1島1市の「対馬市」が誕生したのは昨年の3月1日。対馬は日本海の西に浮かぶ細長い島で、長崎県全体の面積の約17%を占める。そんな新生・対馬が合併を記念して市をあげての大型企画を打ち立てた。

 市民球団の設立――。真っ先に賛同したのが、あの村田兆治だった。その名も『対馬まさかりドリームス』。選手は元阪神・藤田平、元阪急・福本豊、元広島・北別府学、元巨人・橋本清、元ヤクルト・池山隆寛、元ダイエー・カズ山本ら13名。村田は監督とエースを兼ねる。

 去る5月15日、そうした面々が島に招かれた。会場となった対馬グリーンパーク野球場は朝から賑わった。午前中の野球教室には心待ちにしていた島の子供たちが、選手たちをハイタッチでお出迎え。熱のこもった指導に、選手も子供たちも時間を忘れ、予定の時間が大幅にずれ込むほどの大盛況となった。午後からの親善試合には島内の一般選抜チームの登場。結果は3―0でドリームスの完封勝ちとなったが、この日、島民はテレビではない本物のプロ野球を身近に心行くまで楽しんだのだった。

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photograph by Toshiya Kondo

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