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0勝チャンピオンとは呼ばせない。

 昨年、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンのシリーズチャンピオンは、全9戦中未勝利のままに終わった松田次生のものとなった。優勝こそできなかったものの上位入賞を続け、規則通り最多得点を獲得して決まった王座だから松田が引け目を感じる必要はない。だがランキング3位の小暮卓史は3勝を挙げており、ドライバーの速さを競う種目としては、どこか割り切れない思いが外部の人間にも、おそらくは松田本人の心の中にも残った結果ではなかったか。

 だからというわけでもあるまい。松田は今シーズンに向けて開幕前の練習から終始好タイムを記録し続けた。今年のF・ニッポンでは新しくパドルシフトシステムが導入され、ドライバーは、ステアリングから手を離さずにシフトチェンジができるようになった。その分、ドライビングスタイルも若干変わる。それに対応しながら、松田は最速で有り続けた。

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