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ホセ・キハダが語る“右腕”の生き様と“左腕”にタトゥーが入っていない理由「いつもファンと共に戦う」「僕がするY字ポーズ、あれを…」《インタビュー》

2026/08/30
9回になるとマウンドへ駆け上がり、役目を果たすと咆哮する30歳のクローザーは、そもそも、なぜヤクルトに来たのか――。知られざるキャリアの足跡と、日本野球への情熱を明かした。(原題:[前半戦飛翔の立役者]ホセ・キハダ「僕のルーツとタトゥー」)

 7月最後の日曜日の昼下がり、明治神宮外苑室内球技場の前で彼を待っていた。取材開始は13時からの予定だったが、チーム広報からこう聞かされていた。「たぶんゆっくり来ると思います。何せベネズエラ時間で動いてるんで」。やがて上空の黒い雲から、激しい雨が落ち始めた。

 ホセ・グレゴリオ・キハダ、登録名はホセ・キハダ。名前の字面を追うと、どうしてもマグロを連想してしまうが、スペイン語の発音により近く表記すると、キハーダ(ハにアクセント)となる。ホセも正確に言うとホセであり、本人もこう呼ばれるほうがきっとうれしい。

 残念ながら現在二軍での調整が続くが、今季新加入にして開幕戦初登板から8試合連続セーブ、17試合連続無失点の新記録を樹立。30歳のベネズエラ人左腕は、前半戦好調ヤクルトの象徴となった。

 セ・パ開幕前に開催された第6回WBCで、キハダの母国は準々決勝で日本の野球ファンをどん底に突き落とし、決勝ではアメリカを倒して大会初制覇を遂げた。世界一に輝いた国からやってきたサウスポー、まずは彼のルーツを知りたかった。

 待つことおよそ1時間、入口にややしかめっ面のキハダが現れ、雨雲は西の空へと遠ざかった。こちらがスペイン語で挨拶すると、彼はニコリと笑い、そして言った。「OK、何でも好きなことを聞いてくれ」。いいインタビューになりそうだ。

母は公務員、父は運転手

 キハダが生まれ育ったのは、ベネズエラの東部、モナガス州のカリピトという小さな町だ。首都カラカスから車で8時間、5人きょうだいの末っ子だった。母は公務員の仕事に就き、父はゴミ収集車や給水車の運転手を務めたが、日々の生活はいつも苦しかった。

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photograph by Atsushi Kondo

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