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「悩んだら苦しい方に行けよ」日本サッカーを変えたオシムは“チルドレン”のマインドをどう変えたか「私の言うことを信じるな」《阿部勇樹、坂本將貴の証言》
〈私の言うことを信じるな〉
そう平然と言い放つイビチャ・オシムに対し、接した人間はなぜか誰もが惹きつけられた。独特の方法論とサッカー哲学を持つ監督にして、人間としてのスケールの大きさを兼ね備えた人格者。オシムの一般的なイメージである。だが、選手がトレーニングで言われた通りのことをすると、この言葉をもってして怒られるのだった。
オシムが日本で監督を務めたのは、ジェフユナイテッド市原(当時)の監督に就任した2003年1月から、脳梗塞で倒れて日本代表監督を辞任した'07年11月までである。その間にオシムは、とてつもなく大きなものを日本に残した。サッカー観は未来を先取りし、驚きでしかなかったプレーのコンセプトは、多くが今日のサッカーのベースとなっている。インテンシティやトランジションという概念が、まだ専門用語として存在していなかった時代に、それをピッチ上で具現して見せたのがオシムだった。
その薫陶を強く受けたのが、オシムチルドレンと言われた当時のジェフの選手たちである。すでにみな現役を退き、あるものは指導者としてピッチに立ち、あるものはクラブ運営に関わっている。
彼らの心の中で、オシムは今も生き続けている。だが、その実像は、現役時代に感じていたものとは同じではないだろう。とりわけ指導者となったものたちにとって、オシムと同じ側に立つことにより、初めて見えてきたことがあるハズである。
ピッチを離れて18年が過ぎ、逝去して3年がたった今、教え子たちの目に映るオシムの姿はどんなものであるのか。彼の教え、残したものは、今日でもなお有効であるのか。ふたりのオシムチルドレン――浦和レッズユース監督の阿部勇樹と、ジェフユナイテッド千葉ヘッドコーチの坂本將貴に話を聞いた。ふたりが描くオシム像とは……。
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