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「優勝して言葉がひとり歩きし始めた」2023年・慶應義塾‟エンジョイ・ベースボール”は高校野球をどう変えたのか「あの夏、僕たちは楽しかった」【優勝選手たちの回想①】
2023年の夏。107年ぶりに夏の甲子園で優勝した慶應義塾高校が生み出した熱は、ひとつの「事件」だった。アルプススタンドの熱狂は試合を追うごとに内野、外野へと浸潤し、決勝の仙台育英戦では甲子園をホームへと変身させた。
決勝では、丸田湊斗の先頭打者ホームランで勢いづくと、幾度も甲子園に「若き血」が響き渡り、その夜の新大阪駅の混乱(弁当すべて売り切れ、自由席を探して走る多数の慶應生など)に至るまで、甲子園の記憶に深く刻まれるチームとなった。
「エンジョイ・ベースボール」を掲げての優勝から2年。甲子園の主役だった選手たちはいま、慶應義塾大学の2年生になった。丸田は「あのホームラン」をこう振り返る。
「いろいろデータを見て、最初はスライダーを狙ってました。2-2と追い込まれて、仙台育英の投手、湯田(統真)君の球はとにかく速いので、内角の真っ直ぐには差しこまれないようファウルで逃げつつ、三振だけは避けようというイメージを持てたのがよかったと思います。結果的にいい具合に力が抜けて、バットを振り抜けました」
鮮やかな先制パンチ。春のセンバツでも対戦した仙台育英は、ある意味、丸田にとっては成長のベンチマークだった。
「センバツが終わってから、春の神奈川大会、関東大会と打撃が本当にひどくて、打率も3割を切ってました。自分としては長打も打てて、相手に怖さを与える1番打者を目指してたんですが、それが上手くいきませんでした。そんな時に、森林(貴彦監督)さんから『明治大学の飯森(太慈・現東京ガス)君のような、率を残せて足も使えるトップバッターになって欲しい』と言われて、長打よりも出塁を意識するようになってから内容も数字も上がりました」
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