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「若い頃の柳田みたいだよ」奈良原コーチが絶賛した22歳笹川吉康…「野球を愛している」オースティンのアドレナリン《日本シリーズ第4戦:2人のKEYMAN》

2024/11/10
自打球による内出血に耐えながら出場したオースティン

歩いて帰れるように。

 アドレナリンが噴出しているのが分かる。

「打席に入るときは全く痛みも忘れてしまっているんだ」

 タイラー・オースティンは笑った。

「でも打った瞬間に走らなければならないから“やばい、どうしよう”ってなる」

 第1戦で自打球を当てて左足甲を打撲。患部はまだ内出血が残り、膨れ上がっている。「普通ならプレーできない状態かもしれない」と三浦大輔監督が気遣うように、ほとんど気持ちで出場しているような状態だ。しかしその気力にアドレナリンという“麻薬”が加わったバットが、試合を動かした。

 0対0の4回だ。1ボール2ストライクからの5球目。マウンドの石川柊太が内角を狙った146kmが、逆球となり外寄りに甘く入ってきたところを逆らわずに弾き返した。

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