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パトリック・チャン、アダム・リッポンは有終の美…金博洋ら若手の台頭も<五輪イヤーに押し寄せた世代交代の波/2018年>

2018.02.17 PyeongChang Winter Olympics
(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2017-2018今季輝いたベテラン勢と若手たち)

「やり切った」チャン、フィーバーを巻き起こしたリッポン。

 オリンピックの年は、多くのベテラン勢にとって、最後の競技シーズンでもある。今シーズンで競技を引退した選手の一人が、カナダ出身の元世界チャンピオン、27歳のパトリック・チャンだった。

「自分ができることはやり切った。幸せな気持ちで終えることができました」

 3度目にして最後の挑戦だった平昌オリンピックで、そう語った。

 優勝候補とされていたソチオリンピックで銀メダルに終わった彼にとって、金メダルは悲願だった。団体戦ではSP、フリーと自らが滑ってカナダの優勝に貢献し、ついに念願のオリンピック金メダルを手にした。個人戦では9位に終わったものの、フリーでは苦手なトリプルアクセルを執念で2度降りた。大会後、正式に競技引退宣言をした。

「カナダのコーチ資格検定試験の勉強をはじめました。アイスショー用の新しいプログラムも作りたい、とても忙しくしています」

 カナダに帰国してから、こんなメッセージを送ってきた。彼の引退により、男子の一つの時代が終わった。

 もう一人のベテラン、アメリカのアダム・リッポンは、平昌オリンピックで、スケート界を超えた有名人となった。きっかけは、ゲイであることをカミングアウトした彼が、超保守派の副大統領、マイク・ペンスがアメリカ選手団団長に選ばれたことに懸念を示したことである。面会を希望したペンス副大統領側とのツイッターのやり取りがニュースをにぎわす中、本人は「オリンピック中は、競技に集中する」とノーコメントを貫いた。

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photograph by Kaoru Watanabe/JMPA
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