ロングリリーバーとして迎えたプロ3年目は、シーズン初先発での“完全投球”から劇変した。自信を持ちきれずにファームで燻っていた若虎は、一軍のマウンドに立つたび飛躍的に成長していった。
生きるか、死ぬか――。
大げさに言えば、そのはざまで村上頌樹は投げ続けてきた。
「マウンドに上がったら、どうせ勝つか負けるかのどっちか。この試合で大炎上して二軍に落ちるのか、バリバリ抑えて勝つのか。さあ、今日の俺はどっちや……! って。そんなことをいつも登板前に考えています。あまりポジティブなタイプじゃないのかもしれないです」
初の2桁勝利を挙げ、18年ぶりのリーグ優勝の立役者になってもなお、変わらない。たった1年でスターダムにのし上がったからなのか。新人王候補筆頭だけでなく、リーグMVP候補に挙げられる今も、危機感と隣り合わせの中で腕を振っている。
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photograph by Hideki Sugiyama