――先のカタールワールドカップでは、ともに現地に飛んで試合を観戦されています。日本が誇るふたりのファンタジスタの目にはどのように映ったのでしょうか?
中村 今シーズンから横浜FCのコーチを務めるということで、指導者目線に近い形で試合を全体的に観た感じですね。ボールを外に回してスピードのあるアタッカーで勝負するチームが多くて、ボール保持率の低いチームのほうが勝率は良かった気はする。カタールの気候も少しは影響したのかもしれない。優勝したアルゼンチン代表は時代の流れに逆らっているようなサッカーだったけど、それでも勝ちに持っていけたというのを間近で見ることができたのは自分にとって大きかった。サッカーってどれが正解とかじゃなくて、いろんな角度から見たり、考えたりしなきゃいけないってあらためて教えられた気がしましたね。
小野 僕があの場で感じたのは、大舞台で18歳、19歳の選手が堂々とプレーしていたじゃないですか。スペイン代表のガビとかイングランド代表のベリンガムとか。日本でもそういう選手が出てきてほしいなって率直に思いましたね。世界一の選手になりたいっていう気持ちを持って、もっともっと上を目指してほしいなって。
中村 そうだね。18、19歳となるともう大人だから、そのあたりをどうくすぐっていけばいいかは結構難しいところもある。
小野 最終的にそこはもう自分ですよね。たとえばメッシのプレーを見て、こんなふうに人をワクワクさせられるような選手になりたいって思った瞬間からいろんなものが始まると思うんです。努力であったり、苦しさを乗り越えるところであったりにつながる。今は世界のサッカーの映像や情報が身近にあるので、上を目指していくイメージを持てるとも思うので。
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