2014年、ABC朝日放送に入局したヒロド歩美アナは、翌年からM-1グランプリの放送に携わってきた。
「M-1は、出場者の方の目の色がいつもとは違います。他のバラエティ番組だったら、本番前は挨拶も交わして和気藹々とした雰囲気になりますが、M-1だけは違う。たとえば、和牛の川西(賢志郎)さんとは普段から仕事でご一緒していましたが、決勝当日は挨拶以上のことはもってのほか、立ち話さえ出来ない雰囲気でした」
張り詰めた空気。ヒロドアナがM-1と同じ匂いを感じる現場がもうひとつある。夏の甲子園だ。
「私は『熱闘甲子園』も担当していますが、高校球児が子どもの頃から憧れていた甲子園という舞台に立つために、どれだけ努力してきたかを取材させてもらっています。甲子園はその思いが表現される場所だから、胸を打つものがありますよね。M-1の舞台もそう。決勝に臨むみなさんの姿を見ていると、本当に研ぎ澄まされている。ずっとM-1のことを考えてきて、『脳内M-1』が最大化した人たちの戦い。だから私は、両番組とも同じマインドで臨んでいます」
ヒロドアナは敗者復活戦の司会などを経て、'20年からは決勝戦でスタンバイエリアからステージへと向かう間の実況を担当するようになった。
「この年から、コロナ禍でファイナリストの控室にある程度の広さが必要になり、ステージまでの距離が延びることになりました。ステージまで歩いて行く時間、ファイナリストの声は流れず、私の声だけが放送に乗ることになります。初年度、演出側からは『こんな形になったけど、ホンマ頼むで』と言われたのを記憶しています」
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています