日本人初の本塁打キングを目指すエンゼルス大谷翔平が豊かな才能に恵まれているとしても、目の前に立ちはだかる強力なライバルたちとの熾烈な争いを制しない限り、初タイトルには届かない。
昨シーズン48本塁打を放ち、わずか22歳(当時)の若さで本塁打王を獲得したウラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)が、今シーズンも最有力候補であることは言うまでもない。通算449本塁打を放ち、殿堂入りした父ゲレーロSr.譲りのパワーだけでない。昨季は打率3割1分1厘、111打点と、広角に打ち分ける柔軟性と勝負強さを兼ね備えており、現在のメジャーで「三冠王に最も近い男」と言われる。
昨年のオールスターで本塁打を放ち、MVPを獲得したように、大舞台でスポットライトを浴びるスター性も魅力十分で、メジャー4年目で50本塁打をクリアする可能性はかなり高い。
今シーズンのブルージェイズは、破壊力抜群の打撃陣に加え、先発投手陣には、昨季14勝を挙げたケビン・ガウスマン(前ジャイアンツ)、オールスターに選出された菊池雄星(前マリナーズ)が加わるなど、ア・リーグ東地区の優勝候補に挙げられており、ゲレーロJr.のモチベーションも高い。
「去年は予告編だった。でも、今年、皆さんは映画(本編)を見ることになるよ」
大谷の二刀流の活躍がなければ、間違いなく、昨シーズンのMVPに選出されていたと言われたほどで、2年連続でタイトルを獲得する可能性は十分。オープン戦初出場となった3月19日のフィリーズ戦では、いきなり第1打席で130mの特大弾を放つなど、ほぼベストの状態で4月7日の開幕を迎えそうだ。
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