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「椅子と一体化してしまったんじゃ…」テニス・杉山愛が最後の夜に抱いた″不思議な感覚”<2009年現役最終戦に秘めた思い>

2021/05/19
ハンチュコワと組んだ東レオープンダブルス決勝では、大会史上最多9513人の観衆が最後の勇姿を見守った
17年間の長きに渡ってラケット片手に世界中を転戦した。最後の試合を終え、家族とディナーの席に着いたその時、かつて経験したことのない“ある感覚”に包まれたという。

2009.10.3
東レ・パンパシフィックオープン
ダブルス 決勝
成績
A・クレイバノワ、F・スキアボーネ 2-0(6-4、6-2) D・ハンチュコワ、杉山愛

 すべてが終わったのは土曜日の午後だった。2009年10月3日、杉山愛は東レ・パンパシフィックオープンの最終日を飾るダブルス決勝のコートに立っていた。自らラストゲームに選んだ舞台である。

 小型モーターを内蔵しているかのようなフットワークと、定規で線を引いたような小気味のいいストロークを18ゲームのあいだ惜しみなく披露した。その末に敗れると、観衆に手を振り、有明コロシアムを去った。

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photograph by KYODO

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