忘れ得ぬあの日から10年の節目を迎えた春。喜びも悲しみも、全てを知る男が戻ってきた。ふたたび深紅のユニフォームに袖を通した今、開幕を前に現役最強のエースは何を思うのか。
――イーグルスへの入団会見のとき、田中さんは『ワクワクが抑えられない』と話していました。キャンプを終えて、その気持ちは続いていますか。それともピリピリした緊張感が加わってきましたか。
「そうですね。実戦が始まって徐々にそういう気持ちが高まってきている感じです」
――キャンプの時期を日本で過ごすのは久しぶりになりますが、メジャーのスプリングトレーニングとの違いはどのあたりに感じましたか。
「単純にわかりやすく言うなら、練習時間の違いじゃないですか。向こうと比べたらやっぱり日本は長いんで……あくまでも比較したらの話ですけど」
――グラウンド以外の時間で日本だな、キャンプだなと感じる瞬間はありますか。
「なんでしょう……チーム全体で一緒のホテルに泊まって、みんなで夕食会場で食事をとって、というのは向こうにはないことなので、久しぶりの感じでしたね。メジャーのスプリングトレーニングではそれぞれがマンションを借りたり、家を持っていたりとバラバラなんで、そういうところで一緒の時間を過ごしていたら日本に帰ってきたな、日本のキャンプだなと感じました」
――チームメイトに「気軽に、気軽に訊いて下さい」と挨拶していましたが、実際、気軽に質問しに来る選手はいましたか。
「そうですね……自分が思ってたよりも質問に来る選手は多かったかな。今の時代の子どもたちがどうなのかというところまではわかりませんけど、意外とみんな、質問しに来てくれたり、どう思いますかという話はしに来ましたね」
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photograph by Takashi Kurosawa