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ボビー・バレンタイン「“ボビーマジック”15年目の真実」~33-4の舞台裏~

2020/12/11
ボビー・バレンタイン、何を考え、どう感じていたのか
シーズン2位ながら、プレーオフでソフトバンクを破り、日本シリーズでは阪神に4連勝。合計スコア33-4で圧倒した。外国人初の日本一監督は15年前、どんな魔法をかけていたのか。

 2005年10月26日、ロッテのユニフォームを着て甲子園球場の夜空を舞った。ボビー・バレンタインにとって野球人生で最も大きな達成感を味わった瞬間である。

 あれから15年――バレンタインはアメリカ・コネチカット州にある自宅に当時のスタッフを呼んで、15周年記念のホームパーティーを開いた。'05年シーズンを総括する映像を見ながら、当時の選手たちにも電話をして、思い出話に花を咲かせた。

「すごく懐かしかった。日本シリーズへの道を振り返ることで、みんなで盛り上がっていました。特にソフトバンクと戦ったプレーオフ(PO)第2ステージでは、鳥肌が立つようなシーンがたくさんありましたね。伝説となった第5戦、1点を追う8回、先頭打者として代打に送り出したのは既に引退が決まっていた初芝清でした。38歳が全力疾走で内野安打。あれで流れを作ってくれました。そして1死、一、二塁から里崎智也の二塁打で3-2と逆転した。9回裏は、クローザー小林雅英に任せました。マサは第3戦で打たれていましたが、我々の信頼通り守り切ってくれた。全員の力で勝ち取った、本当に気持ちのいい勝利でした」

霧の中に打球が消え、ホームランが見えなかった

 阪神との日本シリーズは、ソフトバンク戦から5日後に開幕した。初戦の舞台は、千葉マリンスタジアム。ロッテが本拠地を千葉に移転して以来、初の日本シリーズ開催である。この海辺の屋外球場で、まさかの事態が起こった。

「千葉マリンでよく見る霧が、だんだん下がってきて、試合中盤に濃くなりました。7回に5点を奪って勝負を決めましたが、私にはベニーのホームランが見えなかった。霧の中に打球が消えたからです。突然、霧の中から審判が現れて、ホームランのジャッジをしてくれたのでホッとしましたね」

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photograph by Tamon Matsuzono

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