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<昇格記念インタビュー>岡崎慎司「僕は崖っぷちに立っている」

2020/09/26
「スペインで絶対にいけると考えていた」と語る岡崎慎司はその強さを証明すべく戦っている
自身初の2部からの挑戦となったスペイン1年目の昨季。チーム得点王として1部昇格の立役者となった裏で日本屈指のストライカーが抱いていた葛藤と自負とは。

 ドイツ、イングランドに続く、3カ国目の1部リーグでの挑戦がスタートした岡崎慎司。昨季は2部ウエスカで12得点を挙げ、リーグ優勝と1部昇格を牽引した。

「スペイン移籍が決まったとき、『スペインリーグは岡崎慎司には向いていない』と考えている人も多かったと思います。昨季の12得点も『2部だから』という風になると思う。それに対する感情をグッと堪える。そうやって抑えた感情をサッカーに向ける。だから、否定的な声も悪いことじゃないなと今あらためて思っています」

 昇格時に「ここからがスタート」と話した岡崎には、欧州4大リーグすべてでプレーしたいという想いがある。

「なぜ4大リーグ全部でやりたいかというと、誰もやっていないからというのもあるんですけど、それが自分を証明する方法だと考えているから。たとえば、マインツで2桁得点を獲っても『ブンデスリーガは日本人に合っているリーグだから』という声がある。レスターでも『ラニエリのサッカーが合っていた』と言われる。だけど僕のなかでは、そういうことだけじゃないという気持ちがあるんです。どこへ行っても環境に適応できることを証明したい。だから、4大リーグ全部なんです」

スペインで絶対にいけると思っていた

 岡崎は環境を変えることで、新たな成長を示してきた。そのリーグのサッカーを理解し、自身の生存手段を模索する。〈岡崎慎司〉というパーツをチームに不可欠な歯車へと変容させていく。その順応性の高さは、多くの意外な結果を生み出した。レスターでのプレミアリーグ制覇もそのひとつと言っていいだろう。プレミアリーグ移籍時の「身体能力で劣る岡崎には難しい」という一般的な予想を覆した。スペインでの挑戦にも岡崎なりの勝算があった。

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photograph by Daisuke Nakashima

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