ようやく梅雨が明け、いきなりの酷暑となった8月6日の鎌ケ谷スタジアムで、豆タンクのような身体がくるっと回った。ボールはレフトへ高々と舞い上がる。
打ったのはファイターズの背番号112――樋口龍之介だった。このホームランはその時点でイースタン・リーグの2位となる第7号、安打、打点、打率はリーグトップに立っていた。168cm、84kgの樋口は育成枠のルーキーとはいえ、ファイターズの中では近藤健介の一つ下、淺間大基より二つ上の26歳。近藤と淺間の名前を出したのは、樋口が彼らと同じ横浜高校の出身だからだ。
「年齢は関係ありません。僕は育成選手ですし、まだプロになれたとは思っていませんから……近藤さんからは指名されたとき、『ここからはお前の頑張り次第だ』と言ってもらいました。いつか近藤さんに追いつけるよう、頑張りたいですね」
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photograph by NIKKAN SPORTS