#1006
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<誌上師弟対決> 内藤哲也×高橋ヒロム「視聴率98%の試合になるよ」

2020/07/07
10年前、苦しむ20歳の練習生を、7歳上の先輩が救った。10年後、2人はジュニアとヘビー級で新日本のトップに立ち、コロナ禍がなければ、初の師弟対決が実現するはずだった。ならば、ここで語り合おう。愛と妄想の誌上バトル、スタート。(Number1006号掲載)

 今から10年前の新日本プロレスに、崖っぷちの師弟がいた。練習にまったくついていけない練習生に「俺でよければプロレス教えるよ」と声をかけたその男もまた、団体の次期エース候補と目されながら、なかなか自分の殻を打ち破れずにもがいていた。

 どこか似た境遇の2人は、マンツーマンの練習で絆を深め、やがて落ちこぼれだった練習生は立派にデビューを果たす。弟子の海外武者修行が決まった際、師匠は約束の言葉を口にした。

「帰ってくるときには、俺が新日本の主役になってるから。帰ってきたらシングルマッチやろうぜ」

 2016年11月に凱旋帰国した高橋ヒロムは、迷うことなく師匠である内藤哲也が率いる「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入した。約束の一戦を自身が選ぶ最高のタイミングで行うために、同じコーナーに立っていようと考えたからだ。

 そして'20年2月9日大阪城ホール大会。文字通り「新日本の主役」としてIWGPヘビー級王座、インターコンチネンタル王座の二冠防衛に成功した内藤は、リング上にIWGPジュニアヘビー級王者のヒロムを呼び込んだ。毎年恒例の3月「旗揚げ記念日」では往々にして、ヘビー級王者とジュニア王者のドリームマッチが組まれている。ともに王者同士、約束を果たす最高の舞台が整った。

 だが2人の対戦が発表されていた3月3日大田区総合体育館大会は、新型コロナ禍の影響により中止に。お互いにとってレスラー人生の大一番となるはずだった一戦が流れてしまった2人は、いま何を思うのか。そしてもし実現していたのならば、この試合は「ベストバウト」となりえたのか。制御不能な師弟対談の行方は――。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Yuya Takahashi

0

0

0

前記事 次記事