プロリーグの労使協定というと、リーグ・オーナー側と選手側が相手にどこまで譲らせるかをせめぎ合い、最後は妥協によって成立する合意という印象が強い。
しかし、1月14日にWNBAが発表した新労使協定は決して妥協の産物ではなかった。WNBAコミッショナーのキャシー・エンゲルバートが「革新的、意欲的で、大胆な労使協定にすることが大事だった」と語ったように、言ってみれば、リーグと選手たちが知恵を出し合って作った未来図だったのだ。
まず、選手年俸が大幅に増額された。現在リーグ収益の20~30%の選手報酬は、来年には、収益が目標値に到達という条件付ながら、50%まで引き上げられる。基本給に加えて、新設のカップ戦の賞金や、オフシーズンにリーグやチームとのマーケティング契約を交わす選択肢を作ることで選手への報酬総額は53%増加。平均サラリーは2018年の7万ドルから13万ドル近くに増え、リーグのトップスターはこれまでの約10万ドルから、最高額の場合は50万ドル以上得られるようになった。
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