#986
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<キャプテンの決意> リーチ マイケル「目標は決めない。あえていえば優勝」

2019/09/12
期待と重圧の狭間に立つ開催国の命運は、この男のリーダーシップに懸かっている。他に例を見ない多国籍軍団であるジャパンを統率する主将は壮大なビジョンを描いていた。(Number986号掲載)

 筋肉を幾重にも巻き付けた太い腿と、無駄な脂肪を削ぎ落とした引き締まった腰は、ギリシャ彫刻を思わせる。

 はち切れそうな大胸筋。広背筋。三角筋。上腕二頭筋。縦横に走る筋肉の山脈は、鎧と化して上半身を覆う。塊と化した僧帽筋と一体化した太い首の上には、短く刈り揃えた小ぶりな頭。そこで、ふたつの目が光を放っている。

 リーチマイケル。ラグビー王国ニュージーランドで生まれ、15歳で日本にやってきた少年は、20歳で初めて日本代表に選ばれ、22歳のとき母国ニュージーランドで開かれたW杯に初出場。その4年後、26歳で迎えたW杯イングランド大会ではキャプテンとして日本代表を率い、強敵南アフリカを破るなど1大会3勝の好成績に導き、列島に空前のラグビーブームを巻き起こした。

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photograph by Naoya Sanuki

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