#977
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<天才柔道家の強さを語る> 阿部一二三「野村忠宏を継ぐ者として」

2019/05/09
平成9年生まれと、昭和49年生まれ。共に得意技は、無双の背負い投げ――。
日本柔道界の新進気鋭、阿部一二三が孤高の天才、野村忠宏の柔道について語った。

 柔道の世界では「師匠」とは呼べない。

 直接の教えをいつも授かったわけではないのだから。

 それでも若者は偉大なる先達を深く慕っている。たとえばこんなふうに。

 取材場所の柔道場、申し訳ないことに、インタビューを前に目を通してもらう資料に間違いがあった。

「これ、アルジェリアじゃなくてジョージアのはずです」

 阿部一二三は、ある選手の国籍についてつぶやく調子で声を発した。

 自身の戦績を見ているのではない。いま21歳の日本体育大学4年生が7歳になったばかり、15年前のアテネ五輪、柔道男子60kg級の記録を手元に寄せての一言だ。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Yuri Manabe

0

0

0

前記事 次記事