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<ヒーローの宿命> 斎藤佑樹「プライドを失いたくなかった」

2019/04/03
甲子園の優勝から4年の時を経て、プロの世界へ足を踏み入れた。
大学進学の意味、ライバルとの投げ合い、そして震災――。
プロ9年目を迎えた今、喧騒の中にいた当時の心境を明かした。

 ハンカチ王子だと騒ぎ立てる世の中の、度が過ぎた熱から身を守るために、彼は頑丈な殻で身を守るより他に術がなかった。

「外が見たくないわけじゃなくて、外は見たいんだけど、開けたくないんです」

 2011年2月、晴れた沖縄の名護。ホテルの窓にかかったレースのカーテンを開ければ、エメラルドグリーンの海が見える。しかし、斎藤佑樹はキャンプが終わるまで、カーテンを開けることはなかった。

「あのときは自分自身が鎖国状態でした。とにかく異常な空間から逃げたいという気持ちがありましたし、誰かに見られている感覚がイヤでたまらなかったんです」

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photograph by Takuya Sugiyama

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