弥生3月、浪速の地で大相撲春場所が始まる。世代交代がささやかれる昨今の相撲界だが、幕内の土俵では新旧ふたりの力士が話題を呼びそうだ。
ひとりは35歳のベテラン力士、元関脇の豊ノ島だ。アキレス腱断裂の大ケガで番付を落とし、約2年のあいだ幕下生活を送るも、昨年の九州場所で十両に復帰。2場所連続での2桁勝利で十両を通過し、堂々の再入幕を決めた。169cm166kgの丸い体ながら、立ち合いのスピードと圧力が往時のごとく戻り、ベテランならではの巧さも光っている。
一方、同じ169cmの小兵ながら新入幕を決めたのが、伊勢ヶ濱部屋の照強だ。阪神淡路大震災の当日に生まれた照強は、2010年3月、中学卒業後の15歳で入門。抜群の運動神経と稽古熱心さで、着実に番付を上げて来た。約2年の十両時代、なかなか2桁勝利はなかったものの、昨年の九州場所では西十両5枚目の地位で初めての2桁白星を上げる。新入幕が期待されたが、番付運に恵まれず、先の初場所では東十両筆頭の地位に留め置かれていた。悔しさをバネに先場所は8勝7敗と勝ち越し、念願の新入幕を果たしたのだ。
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photograph by KYODO