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胴上げ投手にはなれずとも。 今井達也と血染めのボール。 ~西武の2年目、こだわりはストレート~

2018/10/12
作新学院高のエースとして2016年夏の甲子園で優勝。初登板初先発での初勝利は球団では松坂大輔以来だった。

 胴上げが懸かった本拠地での試合ともなれば、味わったことのない独特の雰囲気が漂っていたことだろう。先発を託されたライオンズの高卒2年目、20歳の今井達也は、コントロールに苦しみながらもキレのいいストレートとチェンジアップ、スライダーを駆使して、6回2失点と、要所を締める粘りのピッチングを見せた。結果、チームに勝ちをもたらすことはできず、胴上げはお預けとなってしまったのだが、試合後の今井は「最低限のことはできた」と振り返っていた。

 目深にかぶった帽子、細身の体躯、しなやかなフォームから繰り出す140km台後半のストレート……思い起こしたのは、若き日の桑田真澄だ。彼らが夏の甲子園の優勝投手であることも、この日の試合中、親指のツメのつけ根から出血し、血染めのボールを投げていた(桑田は高2の夏、決勝の取手二戦)ことも、桑田が今井に重なった理由だった。

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photograph by KYODO

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