止めるのか、運ぶのか――。その違いを曖昧にしたことが、記録的なスコアによる大敗の引き金だった。
0-7。
J1リーグ第26節で、川崎フロンターレに屈したコンサドーレ札幌である。勝負の行方を決めた前半の3失点は、いずれも自陣での不用意なボールロストからだった。
一瞬、ボールが体から離れた隙を狙われ、次々と失点を重ねた。札幌の選手たちは味方のパスを「止める」わけでも「運ぶ」わけでもない、中途半端な状態にあった。
そこでふと思いだしたのが、名古屋グランパスを率いる風間八宏監督の言葉である。
「ボールを『止める』と『運ぶ』は別モノ。グレーゾーンはない。止めるとは、ボールを完全に支配すること。運ぶとは、体がボールと一緒に動くこと。この区別ができないと、ボールを追いかけてプレーすることになり、見えるものも見えなくなる」
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