希望を胸にアメリカへ渡った石川遼は失意の5年間を過ごし、日本へ戻る決断を下した。そこには自分に足りないものを認め、現在地と向き合う大人の男がいた。
同じ道を知る丸山に明かした胸の内とは。
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――まずは石川プロ、5年に及ぶアメリカツアー参戦を経て、今年の4月から日本ツアーを中心に戦うことを決断しましたが、そこに至った経緯を教えてください。
石川 昨年11月末のカシオワールドが終わって、最終戦の日本シリーズ(JTカップ)に(賞金ランク順により)出られない中、1人で練習している時に決めました。本心を言うと、カシオが終わった段階では今年1月からアメリカ下部ツアーに戻って、PGAツアー出場権を取るために頑張ろうと思っていたんですけど、1人で練習している時にすごくモヤモヤしていて……。「またアメリカに行ったら、結果にとらわれる自分に戻ってしまう」という気持ちでした。この5年間は本当にゴルフを長期的な目線で見られなくなっていました。毎週毎週、どうやって予選通過をしようかと考えているうちに、週替わりでやることが変わってしまって……。そうなるとその週をなんとか乗り越えようということだけしかできず、長期的にここを伸ばしていこうという取り組みができなかった。気付いたら最初に目指したのとは全然違う方向に行っているみたいな……。
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photograph by Takuya Sugiyama