トラとかライオンは狩りの練習をしないでしょ、と言って、ムネは笑っていた。
日本に戻ってきた川崎宗則のプレーを眺めていると、あることに気づく。それは、とにかくムネが走らないということだ。打ったあとや、守っていてボールが飛んできたときの話ではない。守備につくとき、ダグアウトへ引き上げるとき、ムネは歩く。競歩の選手のようにお尻を振りながら、歩いている。
それだけではない。守備のとき、打球に備えて腰を落とす動作は、ホークス内野陣の中ではムネが最後だ。それは力を抜く時間をできるだけ長く確保するために他ならない。
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photograph by KYODO