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“2つの呪い”を解いた球団社長の名手腕。 ~カブスの世界一は、データと哲学両面の 改革の成果だった~

2016/11/23

 今年のワールドシリーズはカブスがインディアンスを下し、1908年以来108年ぶりの世界一に輝いた。第7戦を延長戦の末に制し、チャンピオントロフィーを手にしたセオ・エプスタイン社長は、ひと目もはばからず涙を流した。日頃はクールな表情を崩さないエリートが、「ファン、選手共々、勝つべくして勝ったんだ」と興奮を隠せないほど、頂点までの道は、長く、険しかった。

 2002年、当時史上最年少の28歳でレッドソックスのGMに就任したエプスタインは、すぐに手腕を発揮した。積極的にトレードを進め、'04年には86年ぶりにワールドシリーズを制覇。ベーブ・ルースを放出した因縁で世界一になれないと言われた「バンビーノの呪い」を解いたことで注目を集めた。'07年には、再び世界一を奪還。メジャー屈指の辣腕GMとして知られるようになった。

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photograph by Yukihito Taguchi

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