ベースボールにとりつかれた詩人のエッセイ集。こんなに広く、深く野球を考察し、プレーの歓びと共に語るエッセイは、ちょっと類がない。著者の球歴が凄い。草野球チームの監督兼三塁手としてプレーするだけでなく、チーム運営のフロント役までこなし、ついには野球と詩を「天職」と定め勤めを辞めてしまうのだから。アイオワ大学が作家や詩人を招待するプログラムに参加した時には、ワールドシリーズをダフ屋のお世話で観戦した。さらにクーパースタウンの野球殿堂に足を延ばし、面喰う殿堂副理事に自分のチーム、「ファウルズ」の上にクーパースタウンと付ける「承認証」まで書かせてしまう。時間も行動も惜しまず注ぎ込んだ野球漬けの日々、にんまりとし、感心し、降参してしまう。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Sports Graphic Number