球界の'94年世代は大谷、藤浪だけじゃない。最速156kmの大学球界No.1右腕は、まだまだ恐るべき伸びしろを持っている。大学最後のシーズンに向けて、心境を語った。
田中正義という逸材を初めて見たのは、彼が創価高3年生の夏、西東京大会4回戦でのことだ。
お目当ては同校のエース・池田隆英(現・創価大4年)。当時、都内有数の本格派右腕と評されていたこの投手のピッチングが見たかった。田中正義については、大会のパンフレットで「大型の中堅手がいるなぁ」と、この程度のことだった。
しかし、試合前のシートノックで驚いた。
186cmの中堅手が定位置から投げた三塁送球が、ぐんぐん伸びてファールグラウンドを越え、三塁側スタンドに着弾した。
おそろしいほどの強肩。4年経った今でもはっきり覚えているのは、投げたフォームが美しいオーバーハンドだったせいだ。
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photograph by Kenta Yoshizawa