宮原知子、本田真凜を始め、今季、教え子たちが大活躍し、注目される指導者がいる。選手の長所を伸ばす方法、躍進の秘密、そして生徒に一番伝えたいこと。フィギュアにかける熱き思いを探った。
「こうなることは分かっていました」
問いかけに、田村岳斗は気負いもなく、淡々と言った。その口調が心からの確信をうかがわせた。
今シーズン、フィギュアスケート界で注目を集めた現象があった。
グランプリファイナル銀メダル、全日本選手権連覇、世界選手権では日本勢最上位の5位で日本女子の中心となった宮原知子。世界ジュニア選手権で金メダルを獲得した本田真凜。同選手権で4位ながらジュニアグランプリで連勝するなど素晴らしい活躍を見せた白岩優奈。
彼女たちの指導者は共通している。濱田美栄。京都醍醐FSCと関西大学アイススケート部のコーチである濱田は指導者となって34年のキャリアを誇る。しかもこの好成績は3人に限らない。現在はいちばん下で4歳から、40人弱を教えているが、少なくない教え子が目覚ましい成長を見せているのである。目を引かないわけがない。
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photograph by Nanae Suzuki