たった1本のレースで身体中の記憶を甦らせた。トップスケーターは、やはりひと味違っていた。
スピードスケートの国内開幕戦となる全日本距離別選手権(10月23~25日、長野市エムウェーブ)男子500mで、2季ぶりに公式戦に復帰した加藤条治(日本電産サンキョー)が3位になり、W杯前半戦の代表入りを果たした。
「まさか、この状況で表彰台に上がるとは。ビックリです」
昨季の実績がないため、単独滑走となった1本目。本来の滑りからはほど遠いながらも35秒734で5位になり、相好を崩した。
「動きがスローモーションのようで、自分が何をしているのか分からないくらい。でも、想像よりもタイムが良くて、テンションが上がっちゃいました」
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photograph by Takao Fujita