昨季まで2年連続で最下位に沈んでいたヤクルトだったが、新監督は優勝を争える実力があると信じていた。現在の主力が二軍で奮闘する姿を見続けていたからだ。その絆を力に変えて、14年ぶりの日本一を目指す――。
「平常心で普段通りの野球をやろう。われわれはもともと、最下位からスタートしたチャレンジャーなんだ。ジャイアンツに胸を借りるつもりでぶつかっていこう!」
優勝争いも大詰めを迎えた9月下旬の天王山、首位ヤクルトを追う2位巨人との直接対決2連戦を前に、監督の真中満は選手に言い聞かせた。2001年の優勝と日本一から14年、ビールかけの経験者はひとりもおらず、当時二軍にいた4番の畠山和洋が「優勝マジックが点くという感覚がわからない」と言えば、'02年の新人だったエースの石川雅規も「これからはぼくたちにとって未知の領域」と話している。そうした中、真中が改めて強調した「普段通りの野球」とはいったい、どのような野球なのか。
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photograph by Hideki Sugiyama