世界4位のトマーシュ・ベルディヒに、全仏初出場の西岡良仁が食い下がった。持ち味の出た場面も多く、ストレート負けとはいえ内容は決して薄味ではなかった。
「第2セットから、ちょっとずつ手応えのある試合になった。相手に無理をさせ、ミスを誘うところまではいけた」
西岡は落ち着いて試合を振り返った。
全仏の男子シングルスに日本から5人が出場したのは1967年以来48年ぶり。その最年少が19歳の西岡だ。本戦勝利はならなかったが、予選から計4試合、171cmの小兵は業師の本領を発揮した。
予選3試合は圧巻だった。2回戦では相手のマッチポイントを2本逃れ、ファイナルセット8-6の勝利。窮地でドロップショットを仕掛ける勝負度胸と冷静さは10年選手のようだった。同3回戦では要所を押さえ、6-2、6-1の快勝。「大事なゲームを全部自分が取ったことで差が開いた」と胸を張った。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Tomoki Momozono