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<リーグ3連覇の舞台裏> 原巨人「トータルベースボールという革新戦術」

2014/10/14
打順を固定しない「日替わりオーダー」に結果がともなわず、批判も浴びた前半戦。だが6月以降1度も首位を明け渡さなかった粘り強さの源泉は、その“全員野球”にあった。

 1961年。

 この年、巨人は通算17度目の優勝を果たしているが、その中味は惨憺たるものだった。

 チーム打率2割2分6厘5毛はリーグ最下位。長嶋茂雄が首位打者を獲得したが、その他の打者は打撃30傑の下位に沈み、エース・藤田元司も肩痛で20勝投手は一人もいなかった。

 それでもチームを優勝まで導いたのは、この年、第8代監督に就任した川上哲治だった。

 川上は戦力的に乏しい中で毎年のように優勝していたロサンゼルス・ドジャースに注目。そのドジャースのアル・キャンパニスの著した『ドジャースの戦法』を教科書に、エンドラン、ブロックサインなど、新しい野球を導入。戦力的には決して充実しているとは言えなかった巨人を、優勝へと導いた。

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photograph by Nanae Suzuki

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