<9/2(火)札幌ドーム>
13時50分。明日、先発予定の大谷翔平がグラウンドに現れる。いつものことながら、8頭身、いや9頭身はあろうかという抜群のスタイルにため息が出る。
手にはブルーのグラブ。足元も、ブルーのジョギングシューズ。報道陣に対し、穏やかな表情で、ほどほどの声量で、「おはようございます!」。さわやかだ。
14時。三塁ベンチ前で軽くストレッチを始める。仰向けになり、伸ばした腕で、そこを通りかかった入団5年目の大塚豊の足首をつかむ。大塚はわざとらしく顔をしかめ、大谷をにらみつけた。大谷は満面の笑み。
大塚は含み笑いを浮かべながら語る。
「あいつ、僕のことを完全になめてますからね。ま、かわいいヤツですけど。ロッカールームとかでもいきなり蹴ってきて、やり返すと、倍ぐらいの力でまた返されるんです」
大谷を観察していると、いつも先輩にちょっかいを出している。そのたび、にらまれては笑顔でかわす。大谷の「被害者」代表ともいえるのが同期入団ながら、大卒のため4つ年上の鍵谷陽平だ。
「いつも馬鹿にされっぱなしです(笑)。最近は、“半ニヤ”で、『今日もカッコいいですね』みたいなのが多いですね」
「年上と年下、どちらが話しやすい?」という質問への機転。
この後、アップを行ない、投手組に入ってキャッチボール。その際、しきりにセットポジションの構えを気にしていた。14時30分、ブルペンに入り約50球投げ込む。ただし、ブルペンは報道陣立ち入り禁止。45分後、大谷は再びグラウンドに姿を現す。センターへ移動し、やはりセットポジションの構えを入念にチェックしながら、何度となくフェンスにボールを投げつける。「ボコン」という大きな音が札幌ドームにこだました。
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています