第96回夏の甲子園、その頂点に立ったのは大阪桐蔭だった。2年前の藤浪晋太郎(現阪神)のような絶対的エースが不在の投手陣は大会前から不安視されていたが、峯本匠、香月一也、正随優弥を中心とした打線の破壊力は大会屈指と前評判が高く、実際に決勝までの6試合で46点を取る凄まじさだった。
危うい場面も多かったのはたしかだ。1回戦の開星戦は初回に4点を先制されてからの逆転、準々決勝の健大高崎戦は初回に1点を先制されてからの逆転、準決勝の敦賀気比戦は初回に5点取られてからの逆転、さらに決勝の三重戦は2回に2点取られてからの逆転と、全6試合中4試合が逆転による勝利だった。
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photograph by NIKKAN SPORTS