アメリカの大恐慌が終息に向かう1938年、短い脚に出っ張った膝と短い尻尾を持つ小柄な競走馬が国民的アイドルになった。馬の名はシービスケット、500ページを超える本書はこの馬の伝記だ。
シービスケットはレースより食べること、寝ることが好きだった。1勝するまで17レースもかかり、見限られ売りに出された。新馬主は東部から西部に移り自動車販売業で成功したチャールズ・ハワード。「買ってくれ。ホンモノだ」一目でシービスケットの能力を見抜いた調教師トム・スミスは、馬を知り尽くした無口な西部男。騎手は少年時代に極貧の家を離れ、競馬場を転々とする本好きで、片目が見えないのを秘密にしているレッド・ポラード。この1頭と3人が全米一を目指す“シンデレラ物語”である。
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photograph by Sports Graphic Number