日本ハムのドラフト指名を受けた菅野智之が1年間の浪人を決めた直後、ある会でこんなふうに話していたことが印象に残っている。
「僕はどこで野球をやっても同じだと考えているけれど、両親の立場を考えたら、わがままばかりは言えない」
よく知られているように、菅野の祖父は東海大野球部顧問の原貢氏、母はその長女であり、原辰徳監督の妹である。原監督も、プロから声がかかる存在でありながら、人気の東京六大学ではなく、首都大学リーグの東海大に進学を決めた。息子の辰徳が監督を務める巨人に、孫の菅野を入団させることは、貢氏の壮大な夢であったろう。その気持ちが痛いほどわかるからこそ、菅野は「巨人」という選択を貫いたに違いない。
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photograph by NIKKAN SPORTS